創発
「世の中には偶然というものは1つもなく、全てが自分の人生において必然なのだ」と
弊社名誉顧問である船井幸雄は私達、社員に対しても、また世の中に対しても言い続けています。私はこの言葉が大好きで、多いに悩んでしまう様なことでも自分の成長のチャンスだと捉えて前を向いて来れました。
人生の中には、様々な困難なことも当然あるかと思いますが、それに気付くことが出来て立ち向かえる人は幸せだと思っています。何故なら、その困難なことも、当の本人が気付かずに問題意識に上がらなければ、その人の中では何も起きなかったという事実だけが残り、自然に過ぎ去ってしまうからです。おそらく気付かない以上、成長もしていけないでしょう。勿体無い話です。
「若い時に苦労は買ってでもしろ!」という格言がありますが、この苦労という場が自分を成長させてくれるレベルアップの大切な要素であることを昔の人は身をもって体験した活きた言葉であるから残っているのだと思います。このレベルアップという次のステージに人が上がることを「創発」と呼んでいる方がいます。
「創発」とは部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることであり、局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成されると言われています。
よく判らないので簡単に申しますと、人間や動物の手や足、そして脳等のパーツを個々で見たら1つ1つの仕組みは科学的に理解出来ても、生き物が動く過程等は、今だに解明出来ていません。どんなに有機質や無機質の結合が起きたとしても、ド~ンと大きな変化が起こらなければ生物は生まれる筈などないのです。もっと判りやすい例で言うと、毎日毎日、ピアノの練習をしていると急に、ある時点で弾ける様になったり、水泳のクロールで全く息継ぎも出来なかったものが、泳いでいくうちに自然と出来るようになったり、ボールを蹴って蹴ってを何度も何度も重ねる内に思うようにコントロールが出来る様になったりすることも、この「創発」の1つに過ぎないと言うことです。
今、現在、皆さんのお店が何もない平凡な毎日であれば、それを望んでいるのは、皆さん自身であって、そこから会社が成長する様なことはありません。どんな人も、どんな会社も、良いチャンスも悩んでしまう様な課題であっても、それをしっかりとレベルアップのチャンスだと捉えて、逃げずに前を向いていれば、必ず、その過程のどこかで「創発」が起こり、一気に次の次元へと進んでいけるかも知れませんよ。