ジョーレン
デパートがある大きな繁華街やイオンモールの様な巨大SC施設はさておき、小さな商店街にある店の多くのお客様は常連客で占められています。根本的に大都市で買物を楽しむ「たまたま客」とは客筋が違うと言えます。当然、常連さんだけをターゲットにすえるのであれば、看板もいらないし、チラシを打つ必要もない。また場所も関係なく商品構成もごくわずかで済み、以心伝心で気の合うお客様用に喫茶スペースでも、設けて世間話をしていれば、楽しくて一日があっという間に過ぎていくことでしょう。確かに、これは悪いことではありません。明らかにお店を現時点で支えてくれているのは、これらの「常連さん」なのですから。しかし、根本はどんな立地だろうとお店を維持しなければなりません。商圏人口が、もともと3万人いたところでも20年経つと立地移動がおき過疎化の影響で1万人に減ったとしたら、必ず回りのお店は少なくなって来ます。まずは大手チェーンが撤退し、それに伴って売上不振、後継者問題等々で1店、1店が廃業して行きます。しかし、その中で最終的に生き残れる店が自店であれば、充分に繁盛店は作れて行くはずです。1万人で1店舗あれば、メガネ、宝石、時計の兼業店であれば、充分に1億以上の売上を取れるのです。しかし、この店になるには、条件があります。1つは、どの店よりも情報の発信量(チラシや新商品の入荷もその一つ)が多くあることと、常連客を作る力を備えていることです。商圏人口が減ってきたり、立地移動が起きると、大体の経営者は悩み、真っ暗なトンネルに押し込められた様な感じを受けてしまいます。それは、他店の経営者も同じことです。しかし、それを1番化へのチャンスだと捉え、しっかりと新規顧客の集客と常連化をやり続けたところだけが最終的に勝者になるのだと思います。どんな商売においても、いきなり常連など出来るはずなんてありません。
常連になるには段階が存在するのです。まず記憶段階です。これは「店の人が顔を覚えていてくれて挨拶してくれるところから始まります。次に知名段階です。自分の名前を覚えていてくれて名前で呼んでくれることです。そして理解段階に移ります。この段階に入ると「自分の好みを判っていてくれて、言わなくてもそうしてくれるレベルになります。更に友人段階になると「店外であっても気軽に話が出来たり、一緒に遊びに行ったり食事に行ったり出来ます。そして最後は家族段階になります。ここまでくると「家族の様な付き合いができ、人生相談までしてしまう」という具合です。
しかし、これらの過程を踏むには、やはり集客が必要です。それは他店からのお客様からの導引や家族シェアの向上です。お客様は、どうしようもない環境に悩んで意気消沈している元気のない店よりも、どんな時でも元気に明るく情報を提供してくれるお店の方を好むに決まっているのですから。