沈黙時間
昔、遠洋航路に出る船乗りにとって欠かせないものの1つに無線がありました。
航路の確認や他船とのやりとり、本部との連絡等の際において非常に大切な命綱であったからです。皆さんも映画やテレビでよく見たモ-ルス電信もそれに該当する通信手段の一つでした。
しかし、その大切な通信を何故か決められた時間の3分間だけは、全ての船が一斉に中断するのです。その理由は、どこかの船が遭難して「SOS」を発信しているかもしれないからです。今、この時も小さな電波で助けを必死に求めているかもしれない。それを世界中で航海している、あらゆる船が、その時には通信をピタッと止めて耳を傾けているのだそうです。これを沈黙時間と言います。
第一沈黙時間 (電波法第64条)
中央標準時による毎時の15分過ぎから18分過ぎまで及び45分過ぎから48分過ぎまでをいい、この時間には海岸局及び船舶局は490kHzから510kHzまでの周波数を発してはならない。
この、SOSに耳を傾ける沈黙時間の設置のきっかけはあの豪華客船「タイタニック号」の沈没から始まったそうです。
皆さんも日々商売という航海に出ています。その中で様々な活性化の企画を立て、商品の仕入れ情報を取得し、従業員の教育にも力を入れられていることでしょう。しかし、その中の30分でも1時間でも良いでの「お客様からのSOS」に集中する時間を作って頂けないでしょうか?時流は目の前のお客様が求めている流れを指します。今、目の前のお客様が自店に何を求めているのか?それに応え切れているのだろうか?という沈黙時間をスタッフ全員で取り組んでみて下さい。結構、日々の流れで見落としている
ポイントがきっと見えてくるでしょう。