商売の本質について
「先生!この商品は、もうかれこれ5年以上店頭で寝ているのですが、これを値引き なしで売れる方法などないのでしょうか?」
「そうですねぇ~。ネットに掲載したり、芸能スタイリストに付けてもらえる様に頼 んだり、外販で持ち回りをしたり、福袋の中に入れて抱き合わせにしたりという手 法の話よりも僕の質問に答えられたら売れますよ」
「はぁ~・・・・何ですか」
「この商品は、どんな材料で、いつ、誰が、どこで、どういう理由で作られたのでし ょうか。また材料の素材は、どこの国のモノで、その土地はどんな性質で、どんな 色をしているのか、そして、その素材を加工するとどのように変質するのか?を教 えて下さい」
上記の内容は、フイクションでこんな会話は通常ありませんが、確かにかなり理屈 っぽい聞こえます。しかし商品販売の本質は、根源的に広く、深く、とことん突き 詰めるスタイルから生れてくるのだと思います。
しかし、商売の達人と言われている人は、「口ではモノなんて知りません。そんな の知らなくても売れますよ。」と本に書いたり、講演会等で語ったりしてますが、 その方が神秘的でお金になりやすいから言っているに過ぎず、実際に商品を知らず にドンドンと売っている人は詐欺師意外、何者でもないと思います。
一時的なものでなく継続してお客様の信頼を得たいのであれば、売っている商品を よく知り、自信を持って販売しなければならないのです。
昔、学校の授業や塾でも模試の回答を徹底的に掘り下げて、しっかりとした受け答 えが出来ないと、先生も他の生徒も帰ることが許されないという環境の中で生きて きた人間であれば理解出来ると思いますが、本質を理解せずに、その場しのぎの枝 葉末節に気を取られすぎ、体裁や見栄、面子を重んじる建前だけにこだわっている 人間は、これからの商売という世界には通用しないのです。