良い客
私達にとって良い客とは、商売をしている以上「お金を落としてくれるお客様」です。展示会に何度も足を運ぶがいっこうに購買して頂けないお客様や、店頭に毎回、お茶を飲みに寄ってくれますが、ほとんど購買には繋がらないお客様に対して、やはり自店にとっては難しいお客様と言えるでしょう。今、日本では3つの良い客ゾーンがあります。一つは、オールドリッチです。この層は、定年を迎え、子供も結婚してマンションや家を買ったりしている中、夫婦2人でゆっくりと生活していく為に、田舎の自宅を売り、退職金と自宅を売ったお金でマンションを買い、年金で優雅に暮らしていく層を指します。今もドンドンとマンションが建って行っていますが、マンションの敷地内にファームが出来たり、庭園が出来たり、そしてバリアフリーの標準装備と、この層に焦点を絞った環境が出来ています。次はニューリッチです。この層は、流行のIT産業だけではありませんが、若くして投資やベンチャー企業を立ち上げ時代の波に乗った方々です。
但し、若い方が多く、東京や海外も商圏に含まれるぐらい範囲が広いこと。そして価値基準が明確でないためブランド等に流される傾向があります。最後はサラリーリッチです。文字通り一部上場企業のサラリーマンや銀行関係、公務員等の中流階級層を指しています。
この中で、どこをターゲットにするかの設定は自店の環境で決めていくものですが、私達にとって良い客ゾーンは、えてしてオールドリッチ層が多い傾向になります。しかし、この層は、今までもどこかのお店で良い客である層ですので、その店以上の感動がなければ、なかなか、自店に心を動かすことは難しいものです。しかし、それで諦めては行けません。その一つのキッカケは「一生懸命さ」と「気遣い」です。1番店はきめ細かなサービスをしているから、そのお客様の心を掴んでいると思いますが、客数が多ければ、1人当たりに掛ける時間は、当然分散します。そこを狙い、私達は、まず他店よりも、良いお客様への時間を掛けること。時間を掛けることとは、お礼状やお手紙、調子お伺いの電話等々によって気遣いをアピールし、心の距離を近づけること。この部分が突破口になります。しかし、これをキッチリ出来ずに、自店は良い客がいないといったり、立地が悪いから、商品が入らないからと言っても何も始まらず、まず、自店が他店に負けないことを1つ1つ実践していくことが、最重要課題になってくるのです。