生き残れる発想力
生命保険のセールスマンのほとんどが主婦の女性です。それも結婚、子育てという過程を一通り経験し、もう一度社会復帰の一歩としてというパターンが多いものです。
当初、彼女らは社会経験から遠のいていたこともあり、第一線の現場に出ても、先輩からの支援がなければ、挨拶さえもまともに出来ない主婦という感じを受ける人がほとんどであるらしい。
その中で、少し慣れてきたと思っても見込み客からの厳しい拒否の抵抗や、成熟された市場の中で足を使って回っても契約が獲れない効率の悪さ等々が続き出すと「私は向いていない」とサジを投げて諦めてしまいます。結果、1年以内のリタイアが非常に多く、人員確保(若葉さんという)の勧誘に向けてチームリーダーは走るという流れです。
私共、船井総研においても、最初の出発点が違うだけで、非常にこれと良く似ています。
皆、コンサルティングという肩書きに憧れを抱く中で出逢う様々な経営者をご支援し、幸せになって貰いたいという気持ちを持って入ってくるのですが、そうそう契約が獲れる訳もなく、しばらくして辞めていく人が多いものです。
まず、これには、入社時において最初のスタンスをキッチリと理解しておかなければなりません。
例えば税法上において、生保のセールスレディは、事業主扱いです。つまり、小売店では店長ではなく、店主と同じです。店長は、決められたスタイルをただ実行していれば、給料は出ますが、店主の場合は、それだけでは十分な給料を確保出来ません。
会社という舞台があり、その中で自分自身が、如何に給料を確保出来る能力があるかどうかを問われるのです。会社に活用されるのでなく、会社をどう活用するかこの出発点の認識が曖昧であると、続かないのです。
事業主である以上、彼女らは、様々な市場の反応の中から新たな独自のニーズを探り出し、それを解決するためのプランを提示する力が必要になってきます。しかし、商品を新たに生み出すことは出来ません。つまり、限られた数ある商品プランの中から何を生み出すかよりも、個別対応のスタイルで、どんなお客様でも、「自分の問題解決に寄与してくれるプランである」と認識して頂く為において、何を組み合わせるかが問われているのです。
どんな業界においても、市場開拓の決め手は、物事の発想力です。その為に自分の知識を高め、情報を絶えず豊かにしておき、人間性を高めて行く努力を続けていかない限り決して門戸は開かれないものだと思います。