真実の瞬間
Moments of Truth(真実の瞬間)という言葉は、本でも紹介されているので、ご存知の方も多いと思いますが、小売店にとっては、忘れてはならない不可欠な要素です。
本によると、これはスペイン語が語源で、闘牛士がケープを振りかざしながら牛を交わし、剣を打ち刺す、とどめの一撃から来ていると説明されていました。
これを小売店で置き換えて見ると、お客様が自店に来店されてから、退店されるまでの間には、何人もの、自店販売スタッフと接触します。これが一つの来店から退店されるまでの輪(サイクル)と捉えた時に、このどこか一箇所でも販売スタッフがお客様に対して不適切な対応があった場合、お客様がそれまで抱いていた自店に対する良い印象も全て吹っ飛んでしまい帳消しになっていまうということを示しているのです。
例えば、こんな経験です。あなたが、家族を連れて素晴らしいホテルに宿泊して感動したとしましょう。しかし、最後に車を出す駐車場のオジサンが最悪だったら二度と行きたくなくなったりしませんか?
また、評判のお店で食事をとって、凄く美味しいと感じてもお会計の時に邪魔くさそうにレジを打たれたりすると、一気に気持ちが萎えてしまうことってありませんか?
つまり、お客様を一旦、お招きしている限り、最後まで気を抜かず、ミスを極力減らすことが、そのお店全体の質を作っているのです。
ある大手アパレルのセレクトブランドショップは、その質をチェックする為に、半年に一度、覆面調査をしていると聞いたことがあります。弊社の社員が、完全なお客様を装い、接客のサイクルの中で、決められた項目を全てチェックします。その結果は、細かく本部で評価されて採点が付けられます。
そしてその採点されたものが、その店全体のボーナス査定(連帯責任)に組み込まれるという何とも緊張感、極まることをされているものだなぁ~と感心したのですが、そこまで質を高める努力を大手でもしている事実を決して私達は忘れてはならないのです。
もし、自店は大丈夫と思われている、あなた!是非とも覆面調査にチャレンジしてみませんか?