舞台に立つ
先日、ネクタイを買いに行きました。ネクタイは、クール・ヴイズやウオーム・ヴイズの普及で船井総研においても付けない社員が増えてきていますが、やはりスーツによっては、付けていた方がビシッとするものだと私は個人的に思っております。しかし、いつも困るのは、どんなネクタイを買えば良いかです。店内には様々なネクタイの柄やブランドがあって、スーツに合わせるにしても、いつも鏡でスーツ姿の自分を見ている訳ではないので、いざネクタイの現物を見せられても想像しにくいものなのです。つまり、常に付けるものだけど想像しにくく、ニーズが沸いてこない商品の1つがネクタイだと言えます。
私共が、ご支援させて頂いているメガネ店も、このネクタイと非常に似ています。いつも付けているメガネであっても、なかなか自分では似合うフレームが判りにくく、ニーズが明確に沸いてこないものです。そんな中、お店に行けば様々なブランドが所狭しと並んでいます。
お客様の立場にたって見ると、やれグッチだ、ディオールだ、999.9だスタルクだと言われても、ネクタイと同様、そんなにピンッとくるはずもなく、1枚1枚ネクタイを取って選んでいても疲れてくるだけです。確かにブランドが良いことは、判るし、凄いな~と思うのですが、最終的に自分が選ぶのは、悩んでいる姿を見るに見かねて声をかけてくる店員が選んだネクタイに決まるケースが、ほぼ100%を占めています。
そしてその時に感じることは、さっき、同じ柄を手にしていたにも関らず、店員が手にとって合わせて貰えると全く違う角度で新鮮に感じてしまうものなのです。
これが食品にしろ、服にしろ人が何かを買う時というのは、えてしてこういうものなのかも知れません。この様なお客様に対して店員が出来ることは、見せて、付けて頂いて、説明するという3つのステップを実行するだけなのです。この3段階なしで売れるということは、オークリーの様な人気ブランド限定モデルを指名で買いに来るという様な事がない限り、ありませんし、見せなければ、どんな良い商品でも絶対に動かないのです。
自店は2000本、3000本とメガネがあると自慢気に語られる経営者様もいらっしゃいますが、どんなに商品量が多くても、置いているだけでは、ただの倉庫と同じです。やはり売り場は、お客様との接点の場ですので、しっかりと見せて、説明して、欲しいと思えるニーズを沸き起こせることが専門店としての大きな本質である思えます。皆さんの店内にあるフレーム、今月、何人のお客様に掛けて頂きましたか?K18フレームもポラリスやエスプロローグ、レオナールの様なエクセレントフレームも、その舞台に立てていますか?売れる売れないよりも、そちらの方が重要だと思います。