身銭

2008年1月21日

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元船井総研上席コンサルタント。宝飾業界、眼鏡業界のエキスパートとして、約20年以上の実績をもつ。全国の大手チェーン店をはじめ地域専門店並びに、ボランタリーチェーン、メーカー商品開発にまで多岐に渡るコンサルタント活動を実践。すぐに成果を出す指導手法には定評があり、暗闇だと思っている状況に光を当てて道を照らすコンサルティング活動を進めている。

昔、将棋の世界に若い青年がいました。その青年は有名な先生に教えてもらう為、１回につき２５，０００円の謝礼金を払っていました。給料も２０万円を切っている中、週に１回の授業で毎月１０万円以上の出費が楽でないことを知っていた先生は、ある時、その青年を呼んでこう言いました。

「君は非常に熱心なのは判るし、益々これから伸びることは間違いないと思う。だけど、この教室は、プロで活躍している人向けなので授業料も相当高いし年齢層も高いだろ。普通、君みたいな年だと失礼ながら、この授業料は、正直大きいと思う。だから、今後は、授業料の規定は関係なしに１ヶ月５０００円でも１万円でも良いから、払える時に払ってくれれば、それで私は構わないから」

それを聞いた青年は「すいません、お心遣いありがとうございます。でも授業料を私だけ特別にするのだけは止めてください。正直５千円や１万円であるなら、確かに出費は楽になります。でも、それだと、きっと心がゆるみ緊張感がなくなってしまうかも知れません。そうなるぐらいなら、私は、１回１回を心に刻む今の授業料の方が、きっと自分の為になると思いますので」と答えたそうです。

ほとんどの人は、自分の趣味や習い事にはお金を出します。しかし、いざ仕事に関るセミナーや研修に対して身銭を切ろうと思える人は、なかなかいません。
何故なのでしょうね。１日の大半が仕事をしている時間なのに、そして上達すればするほど、人から評価され、自分自身の役割が明確になっていき、結果、対価として返ってくるのに。