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応援したいのです

 
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元船井総研上席コンサルタント。宝飾業界、眼鏡業界のエキスパートとして、約20年以上の実績をもつ。 全国の大手チェーン店をはじめ地域専門店並びに、ボランタリーチェーン、メーカー商品開発にまで多岐に渡るコンサルタント活動を実践。 すぐに成果を出す指導手法には定評があり、暗闇だと思っている状況に光を当てて道を照らすコンサルティング活動を進めている。

その昔、百貨店は名前が示す様に何でも揃う巨大商空間でした。三越、高島屋、大丸、伊勢丹等々が全国の最も人が集まる場所に立ち並び、そして最も人を集めることが出来ました。
その百貨店が“らしさ”を失っていったのは80年からです。そして92年には、百貨店の売上高が「戦後初めての前年割れ」を記録し、やがて、百貨店の顔役となった一流ブランドによって百貨店の「同質化」が始まってしまうのです。

その一つの要因は、所謂「場所貸し業」化してしまった点にあります。
「場所貸し業」とは、陰りが見え出した85年に某アパレルメーカーが自社のスペースを広げる為に百貨店側に提案したことから始まるそうですが、その提案の内容は

・ 売場に立つ店員は、販売支援という形で自社から派遣します。
・ 売れ残ってしまった商品は返品を受け入れる為、ほぼ売れたものだけ計上する委託販売
という形式をとります。

これによって、百貨店側はリスクを極力抑えることが可能となり、正社員は店頭に立たず管理業務の仕事へとシフトして行きました。

この体制は、売上があがっていたバブルのころは良かったのですが、売上が落ちてくると大変です。正社員は流行・消費者のニーズや嗜好の変化など、一番大切な情報をとるすべを既に失ってしまっているわけで、つまり、売れるものが何かわからない、売れるものを仕入れてくる、「バイヤー」が百貨店内にだれもいない状況になってしまっていました。
その結果、自分で売れ筋を把握し、売れる商品を揃えることが出来ません。

そこに来て、駅前商集積の開発、イオンを初めとする巨大ショッピングモールの出店攻勢だけでなく集客の原動力となってきた有名ブランドが、続々と自前で大型店を開き、百貨店から撤退し続けている状況が続きます。

つい先日も銀座の松屋からブルガリが2店舗撤退を決め、焦った松屋は、残されたブランドの阻止を考え外壁をルイヴィトンのモノグラムに変えてしまうぐらいの気の遣い様です。

結局、宝飾業界も同じですが、リスクのない商売で主導権を取り続けることは、非常に難しく長く続かないものだと教えている様に思えてならないのです。

売れるから導入してやる。売れなかったら返品させろ。これでは、問屋はやって行けません。しかし今だに勘違いをして、無理をいう小売店のオヤジが、たくさんいます。
メーカーや問屋さんも生身の人間ですので本音で言うと、嫌いな人には応援したくも無理を聞いて上げたくもないものです。これは売っている売っていないという問題ではなく、しっかりと人の道理を判って接してくれるところを応援して行きたいのです。
簡単に言うと「応援したい店を応援したい」

この激動の大きな時代の波が押し寄せている、今、自分の店がノアの箱舟としたなら、あなたは、どの人を乗せて行きますか?それは、業者ですか?それとも個人の人ですか?
そこにメーカーでも業者でも何でも良いのですが、人が出て来なければ、あなたは波に飲まれたとしても、誰も手を差し伸べてくれないかも知れませんよ。


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元船井総研上席コンサルタント。宝飾業界、眼鏡業界のエキスパートとして、約20年以上の実績をもつ。 全国の大手チェーン店をはじめ地域専門店並びに、ボランタリーチェーン、メーカー商品開発にまで多岐に渡るコンサルタント活動を実践。 すぐに成果を出す指導手法には定評があり、暗闇だと思っている状況に光を当てて道を照らすコンサルティング活動を進めている。

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