あの時代はあの時代
本日は、宝飾のボランタリーチェーンでの会合だった。
26日から始まる国際宝飾展前に、僕が提案した今の売れ筋における新作商品や開運をテーマにしたものから続々とサンプルと仕掛けが上がって来た。
日本が戦争で負けた一番の理由は、情報戦である。そしてスピードが追いつかなかった。
輸送手段が大切な中、飛行機を工場から飛行場まで牛で何日も掛けて輸送し、無線も使えない状況で、目と目の合図だけという無謀なゼロ戦フォーメーションを組もうとしたり、臨機応変な状況に対応しなければならないにも係らず、官僚主義という責任転換で現場を全滅させてしまったり、ここでは書ききれない程の様々な要因も、上記に起因していると言える。
実際に戦場で戦う前に、過去の体験から学習して来た改良ポイントと、どれだけ全体の情報をキャッチしているかどうかがポイントで、それによって、エネルギーをより多く戦闘に回すことが出来るからだ。
そして過去の失敗を学習し、ドンドン新たな対応を仕掛けて行く事にある。
つまり、商売で言うなら、どんなに販売員を増やしたとしても、世の中の流れや、お客様の求めている傾向も判らず、闇雲な力業でエネルギーを分散してしまっては、なかなか成果に結びつき難いのである。
そこで、僕は、本日の会合で役員に伝えた事は、
「僕は、今の会社で宝飾に携わって12年です。だから、昔は良かったとか、売れたという話を聞いてもピンと来ません。何故なら、その時代を経験してないからです。でもそれは、非常に幸運だったと思っています。何故なら、昔に良い思いをした人達にとって、現在の状況は、当時に比べて簡単ではなく、労力や経費も掛かり大変で、時には耐え切れなくなると思える事もあるでしょう。でも、僕は入社した時から、業界が厳しい状況だったので、今の状況と言っても普通です。
宝飾の商売とは、こういう大変なものだと思っています。だから、業界は悪いとか、簡単に商品が売れない、チラシで人が並ばない、催事の集客が昔より厳しいと言われようとも、最後まで、この業界の中で踏ん張る意志があるのです。」
基本的に何でもそうなのですが、失敗を積み重ねながら成功して行った様な人には、大きな失敗は起こりません。それよりも、たまたま大ヒットしたとか、ラッキーな環境や、運とかに恵まれた経験を持つ人が、その成功体験にしがみ付き、悲惨な状況に陥ってしまうパターンが多いみたいです。
一発屋と言われるお笑いタレントや歌手もそうだし、横綱が開いたチャンコ鍋屋さんも今はありませんし、あの生キャラメルも普通のスーパーで並んでいる状況で余っています。また宝クジで当たった人が、サラ金で自己破産しているケースも多々ある事から見ても時代は変わります。
そして、バブル時に、全国のモデル店みたいになっていた宝石屋さんやメガネ屋さんも、悲惨な状況に陥っているところや、既に無くなっている会社が沢山あるのも現状なのです。
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p style=”MARGIN: 0mm 0mm 0pt” class=”MsoNormal”>そういう店に限って、昔話が大好きです。時代は変わり、百貨店でさえ変貌している中、当時の話を自分の誇りの様に語り、思い出の中に逃避している姿を見ると本当に悲しくなってしまいます。（その店が、僕に関係なければ、笑って聞いてますが・・・・）
重要な事は、幸運だった時に、それを幸運と認識する事です。
あの時代は、あの時代。今の時代は今のやり方で対応し乗り越えないと行けない。
よく実力も運のうちと言われますが、そこには大きな垣根があると思います。幸運や不運を実力と履き違えたりすると、時代の変化に対応する意欲が沸きません。つまり新たに学習しようとしないのです。
それが、一歩も二歩もお客様から遠ざかり、店を衰退させる原因を伴っていると気付く事事が大切なのです。
